2007年6月30日:田中周子さんを迎えて勉強会
6月29日、

かねてより、お話を聞く会をしたいと願っていた田中周子さんが、福岡へ来られる機会に合わせて大分友の会へも来て下さいました。
友の家にお迎えしてとてもうれしい大分会員です。
母と子、おばあちゃんと孫、と手の仕事を通じて気持ちをつなげることを大切に思っておられる田中さんの糸箱を見せて頂く。

6月30日、勉強会当日です、
大分友の家の前の大分川を見て頂きました。
河原でしたいですね、と田中さん。
発想が自由で素晴らしいです。





「耕そう!子どもの体力 生活力―やる気の種はどこにある―」と題してのお話は、とても心が和む内容でした。
もう大きくなられているお子様のために作り続けてこられた手作りおもちゃが、30年、35年たった今も大切にされていることに田中さんのお子さんと向き合う姿勢を感じることが出来ました。
息子さんの「どこにでも座れる人形が欲しい」との一言から8年かかって生み出されたセーター人形。古くなったセーターから作られています。

もう中学生になっていた息子さんは、あの時に欲しかった~とは言いながらもすぐに部屋に持っていって飾られたそうです。本当に可愛い人形です。
セーター人形は82才のリハビリ中のおじいさんが、椅子を作ってくださるようになったとか。
またお子さんの絵から生まれた馬さん、小さなねずみさんなど、どれも、優しさが溢れています。
トイレットペーパーの芯で作ったお人形は子どもたちが指にはめて、お話をどんどん作りながら遊ぶそうです。
赤ちゃんを抱いた重さに感動、そして本気のスイッチが入った、田中さんの経験を通してのお話は聞く人の心に本当に響きます。
主に小学生とのものつくりの活動を続けて来られて48年になられるという田中さんと午後は実際に針と糸を使って「ちくちくぬい」をします。子どもたちの手をもっと動く手にしたいとの思いから始まったこの「ちくちく縫い」です。
今日は子どもと一緒にしているつもりでしましょうと話されて始まりました。
テーブル毎に班長を決めます。班長は人数分の布をもらいにきます。班長が全部責任を持つのかと思ってドキドキしたら、次の班長をまた決めて糸を4色もらいにきます。

ドキドキすること、班の人のことを思って糸の色を決めること、などで自分で考えて決めることを自然に身につけていく、その体験がとても大切と言われる。
フエルトを2色もらってきて、「何かを入れる物」を作りましょう。自分で考え、手を動かして作るその間にイライラした心がワクワクに変わる。
針と糸と仲良くしましょう。子どもと一緒にしましょう。
心が和み、いろいろなおしゃべりが出てきて心落ち着く時間になりました。
あっという間の時間でした。ヨーグルトゼリーと冷たい紅茶を頂きながら、感想を話し合いました。

「ゆっくりと参加できてとても良い勉強が出来てうれしかった、ありがとうございました」と北九州友の会からの参加者。
若いお母さんは、「かねてより田中さんの著書「型紙のない子育て」を愛読していたので今日はとてもうれしかった」との声また「今日は母に子どもを預けてきたので一日ゆっくり参加できた、これからも元気に子育てしていけます」との声も。また、「先生のお話の中にあった木を見てのお話、根が大切、本当にそうだと思う、それはその時にすることをさせることで培われる、幼児期は体力作りの時代ということもよく分かった」など、参加者にとってとても良い時間となりました。遠方から来て下さって田中さん、お疲れのご様子もなく終始穏やかな笑顔でのお話に私も大きな刺激を頂きました。


田中周子さんをお迎えしての勉強会のために展示をした大分友の会員手作りの布おもちゃ